冨沢恭子 個展「土着的洗練」


冨沢恭子 個展「土着的洗練」
2020年9月21日 [月祝] – 2020年9月27日 [日]
|11:00 – 19:00|会期中無休
関東近郊で育ち、多感な頃をメキシコで過ごした冨沢恭子氏は、美大時代に古道具屋で出会った酒袋に衝撃を受けます。以来、染め重ねるごとに布を強くし、顔つきを逞しく変える柿渋染めの世界に引き込まれ、その魅力を道具と道具でないもの両面から伝え続けています。
彼女の道具の側面を代表するかばんづくりは、韓国の市場での生地選びから始まります。東京のアトリエにて、4度の染め重ねを経て枇杷色の砂岩の様に姿を変えた布の表情を追いながら手で裂き、型紙なしで縫い立ち上げていきます。極めて独自かつ感覚的なやり方ゆえ、出来上がったかばんは遠くからでも一目で判る独特なおおらかさを醸しています
一方、道具でないものの象徴といえる、さまざまな季節に染めた端切れを寄せた接ぎ合わせの布は、夏に染めた濃い色と冬に染めた淡い色合いが隣り合う、陽射しの見本帖とも形容し得る重層的な引力に満ちています
どちらの製作 / 制作も冨沢氏の仕事を語る上で欠かせない重要なものに違いありません。しかし、その一番の核は、柿渋の染液に浸した布を絞り、陽に晒し、風を通すことの繰り返しそのものではないでしょうか。
OUTBOUNDにて10年に渡り仕事を紹介し続けている冨沢氏の初となる個展。その風景に触れて頂けましたら幸いです。
冨沢恭子氏 在廊予定日  21,22日 他
*上記以外の在廊のタイミングにつきましては、冨沢氏のインスタグラム https://www.instagram.com/tomizawakyoko/ をご覧いただけましたら幸いです。
*かばんは好評につき完売いたしました。